白米は加工されているにもかかわらず、余分な栄養素が強化されていることが多い。食物繊維が少ないので、腸内環境にはあまり良くない。しかし、玄米は食物繊維が豊富で、糖尿病や心臓の健康、体重の維持に適している。

健康界では、白米は体に良くないと考える人が多い。
それは、多くの加工を経ているため、硬い外皮やぬか、栄養が詰まった芯などの重要な部分が欠けているからである。一方、玄米は外皮を取り除いただけである。
つまり、白米には玄米ほど多くのビタミンやミネラルが含まれていないのだ。
それでも、玄米より白米のほうが良い場合もある。
この記事は、白米が健康に良いのか悪いのかを判断するのに役立つだろう。
白米には食物繊維と必須栄養素が不足している
白米も玄米も同じ産地の有名な米である。
玄米は、食物繊維が豊富な糠、栄養豊富な胚芽、炭水化物を多く含む胚乳を含む、自然のままの全粒穀物である。
対照的に、白米は糠と胚芽を取り除き、デンプン質の胚乳だけを残している。これは味を良くし、日持ちを良くし、炊きやすくするためである。
これらの重要な要素が欠けているため、白米はしばしば空っぽの炭水化物とみなされる。
しかし、鉄分や葉酸、ナイアシン、チアミンなどのビタミンB群のような栄養素は、米国をはじめとする多くの国々で白米に戻されている。
3.5オンス(100グラム)のお米を炊いたときの栄養価を比較してみよう。
白米、濃縮していない
- カロリー: 123
- タンパク質: 2.9グラム
- 炭水化物: 30グラム
- 脂肪: 0.4グラム
- 食物繊維: 0.9グラム
- 葉酸: 1日に必要な量の1%。
- マンガン: 1日に必要な量の18%
- チアミン: 1日に必要な量の5%。
- セレン: 1日に必要な量の13%
- ナイアシン: 1日に必要な量の12%
- 鉄: 1日に必要な量の1%。
- ビタミンB6: 1日に必要な量の8%。
- リン: 1日に必要な量の6%。
- 銅: 1日に必要な量の4%。
- マグネシウム: 1日に必要な量の2%。
- 亜鉛: 1日に必要な量の2%。
強化白米
- カロリー: 123
- タンパク質: 2.9グラム
- 炭水化物: 26グラム
- 脂肪: 0.4グラム
- 食物繊維: 0.9グラム
- 葉酸: 1日に必要な量の20%。
- マンガン: 1日に必要な量の18%
- チアミン: 1日に必要な量の14%
- セレン: 1日に必要な量の13%
- ナイアシン: 1日に必要な量の12%
- 鉄: 1日に必要な量の10%
- ビタミンB6: 1日に必要な量の8%。
- リン: 1日に必要な量の6%。
- 銅: 1日に必要な量の4%。
- マグネシウム: 1日に必要な量の2%。
- 亜鉛: 1日に必要な量の2%。
玄米、濃縮していない
- カロリー: 111
- タンパク質: 2.6グラム
- 炭水化物: 23グラム
- 脂肪: 0.9グラム
- 食物繊維: 1.8グラム
- 葉酸: 1日に必要な量の1%。
- マンガン: 1日に必要な量の45%
- チアミン: 1日に必要な量の6%。
- セレニウム: 1日に必要な量の14%。
- ナイアシン: 1日に必要な量の8%
- 鉄: 1日に必要な量の2%。
- ビタミンB6: 1日に必要な量の7%。
- リン: 1日に必要な量の8%。
- 銅: 1日に必要な量の5%。
- マグネシウム: 1日に必要な量の11%
- 亜鉛: 1日に必要な量の4%。
3.5オンス(100グラム)の玄米は、白米に比べてカロリーも炭水化物も少ないが、食物繊維はほぼ2倍である。
一般的に、玄米には白米よりも多くのビタミンとミネラルが含まれている。しかし、白米が強化されている場合、鉄分と葉酸のレベルが高くなることがある。
さらに、玄米にはより多くの抗酸化物質と、アミノ酸として知られるタンパク質の必須構成要素が含まれている。
白米と玄米はもともとグルテンフリーであることを覚えておくとよい。従って、セリアック病やグルテン過敏症に罹患している場合は、炭水化物として最適である。
要旨: 玄米は白米よりも栄養素が豊富だが、米国をはじめとする多くの国では、白米は栄養価を高めるために強化されている。
白米のグリセミック指数が高いと糖尿病リスクが高まる可能性
グリセミック指数(GI)とは、炭水化物が体内でどの程度の速さで糖に変わり、血流に乗るかを示す指標である。
GI値は0から100まであり、以下のカテゴリーに分けられる:
- 低GI値: 55以下
- 中GI: 56から69
- 高GI: 70~100
GI値が低い食品は、血糖値の上昇が緩やかで安定しているため、一般的に2型糖尿病患者には適している。GI値が高い食品は、血糖値の急激な上昇を引き起こす可能性がある。
白米のGI値は64、玄米は55である。つまり、白米に含まれる炭水化物は玄米に含まれる炭水化物よりも早く血糖に変わるということだ。
白米を食べると2型糖尿病になる確率が高くなるのは、この変換の速さのせいかもしれない。
35万人以上を対象とした研究レビューで、科学者たちは、白米を多く食べる人は少ない人に比べて2型糖尿病の発症リスクが高いことを発見した。
さらに、毎日食べる米が1食増えるごとに、糖尿病リスクは11%上昇した。

米国で行われた研究では、白米を多く食べると2型糖尿病のリスクが高まるのに対し、玄米を多く食べるとリスクが大幅に低下することも明らかになった。
要旨: 白米はグリセミック指数が高く、玄米に比べて炭水化物が血糖に変わるのが早い。白米を多く食べると、2型糖尿病のリスクが高まる可能性がある。
白米をたくさん食べるとメタボリックシンドロームになる可能性がある
メタボリックシンドロームとは、いくつかの健康リスクをひとまとめにした言葉である。これらのリスクにより、心臓病、2型糖尿病、脳卒中になる可能性が高くなる。
ここで話しているのは:
- 血圧上昇
- しばらく食事をしていないときの高血糖
- 血液中にトリグリセリド(脂肪の一種)が多い
- 大きなウエストサイズ
- 血液中の「善玉」HDLコレステロールの量が少ない
白米をよく食べる人はメタボリックシンドロームになりやすいという研究結果がある。これは特にアジア系の成人に当てはまる。
白米を食べることと糖尿病を関連づける証拠はいくつかあるが、白米と心臓病の関連はまだそれほど明確ではない。
逆に、玄米を食べる方が心臓に良いようだ。
例えば、全粒穀物を最も多く食べる成人は、ほとんど食べない成人に比べて、心臓病の可能性が最大で21%低くなる可能性がある。
玄米には、植物に含まれる天然物質であるリグナンも含まれており、血圧を下げ、脂肪を減らし、動脈を硬くしにくくすることが証明されている。
要旨: 白米を多く食べるとメタボリックシンドロームのリスクが高まる可能性がある。しかし、白米と心臓病との関連はまだ明らかではない。
白米と減量:結論はまだ出ていない
白米は、外側の層である糠と胚芽が取り除かれているため、加工穀物である。
多くの研究が、加工穀物だらけの食事と体重増加や肥満との関連性を指摘している。しかし、白米に関しては、結果はまちまちである。
例えば、白米をたくさん食べると体重が増え、お腹に脂肪がつきやすくなるという研究結果もあれば、関連性はないという研究結果もある。
興味深いことに、白米を主食とする食生活も体重減少に関係している。
つまり、白米がダイエットに良いのか悪いのかは不明なのである。
しかし、玄米のような全粒穀物を多く含む食事は、減量や健康的な体重の維持に役立つことが一貫して示されている。
体重を減らしたいのなら、玄米の方が良い。より栄養価が高く、食物繊維が豊富で、病気と闘う抗酸化物質も含まれている。
要約: 白米が減量に与える影響については、まだ議論の余地がある。しかし、玄米は減量とその維持に役立つという、より一貫した実績がある。
白米を食事に取り入れるべきか?
白米は時に評判が悪いが、場合によっては玄米よりも適していることもある。
例えば、妊娠中の女性は、強化白米に含まれる葉酸の恩恵を受けるかもしれない。
また、食物繊維の少ない食事をしていたり、吐き気や胸やけがある場合は、白米の方が胃にやさしいかもしれない。
しかし、一般的には玄米の方が良い。玄米の方が、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸、植物性化合物を幅広く含んでいるからだ。
また、玄米はグリセミック指数が低く、炭水化物が血糖に変わるスピードが遅い。そのため、糖尿病や糖尿病予備軍の方には玄米がおすすめである。
とはいえ、たまには罪悪感なく白米を食べてもよい。
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要旨: 玄米は一般的に健康的ですが、状況によっては白米の方が良い場合もあります。たまには白米を楽しむのも良いでしょう。
概要
白米は加工されたものだからといって、自動的に悪い選択になるわけではない。
アメリカでは、多くの白米に葉酸のような必須栄養素が強化されており、栄養価を高めている。また、食物繊維が少ないので、消化に問題がある人にはプラスかもしれない。
とはいえ、総合的な健康面では玄米の方が優れている。糖尿病の管理、心臓の健康、健康的な体重の維持に関しては、玄米の方が優れていることが研究で証明されている。